2006年09月27日

≪シオンさん家のタマゴ部屋≫

『本日の航海先・新宿区・歌舞伎町・ロフト・波猫・風声』

メーカーズマーク1.jpg
東京都品川区、六畳一間、3万2千円。(便所共同、風呂無、日当たり無)

今日も目が覚めると、真っ先に飛び込んでくるのは、モルツと書かれた、
逃げ水の残骸達。
探し出したリモコンで、ベットの中からテレビを点けると、無駄に笑顔なタモさんの顔。
重い頭を持ち上げて、やっとのおもいで行ったトイレから、外を覗く。
「今日は晴れてそうだから、働くかな?・・・取り合えずベットで考えるか。」

(その頃、道で黒い布を広げて、アジアの雑貨なんかを仕入れて売ったりしていた。
その日の天気と俺の気持ちがタイムカードだった。)

ベットに腰を据え、震える手を無理やり自制させ、昨夜の残骸を振ってみる。
「おー俺の逃げ水、まだあったか。」
泡のたたない黄金を流し込み、灰皿の中から一番長いタバコに火をつける。
その頃には、家から出ない事に、ほぼ心は決まっていた。

テーブルに乗ってる全財産を数えてみる。百円玉が七枚、十円玉が五枚・・・。
明日仕事に行くのに二百円、タバコが二百三十円、残りが三百円二十円。
「カップラーメンとおにぎりかな?」
起きたままの姿に帽子だけかぶり、コンビニに向かう。帰ってきて袋を開けた。
・・・・ウイスキーのミニボトルだけが入ってた。

キャップをひねり、口にくわえる。火の感覚が、食道と胃の形を教えてくれた。
それを三回繰り返した頃、脳にも朝がきて、つねに住みつくいらだちと、指の震えが
消えていた。 そんな時・・・・レザージャケットと破れたリーバイスの山、その隙間から
覗くスピーカーがこう語りかける。


当然のこと Words&Music:SION

その昔 誰も何も信じない男がいた
外に出たことのない自信だけを 大切にかかえて
誰も知ったこっちゃないから 別にかまやしないけど
困ったことに奴は いつもかまって欲しかった
奴はそれこそ手あたり次第そこらじゅうかみついて
やってもやられても又一人で いい気にになってた
明日なんてしらねえさ はき捨てるくせに
明日が 明日こそは すがってた

当然のこと街はキナ臭く 当然のこと人はかたかった
当然のこと風は吹くだけで 当然のことただいたかった

本当は良く知ってた 自分がそれほど強くないことも
弱虫であまったれで どうしようもないことも
誰も信じてないから 誰にも信じてもらえない
わかっちゃいるけど 笑い返せなかった

当然のこと街はキナ臭く 当然のこと人はかたかった
当然のこと風は吹くだけで 当然のことただいたかった

くすねた金で うまい酒が飲めるわけはなく
ろれつが回らない朝も夜も ただ寂しいだけ
いったい こんな所まで何しに来たんだっけな
それみたことか 笑う奴らの顔さえ浮かばない

その昔 誰も何も信じない男がいた
外に出たことのない自信だけを 大切にかかえて
明日なんてしらねえさ はき捨てるくせに
明日が 明日こそは すがってた



・・・・・・あれから十数年。
あのスピーカーから流れていた声の主に花を届けたら、少ししゃがれた声で、
「凄いなーこれ!! ありがとう。」って屈託の無い笑顔でむかえてくれた。
俺は心の中で何回も何回も言った。
「こちらこそありがとう。」「あの頃からありがとう。」

そんなんで今回の作品。(クリックすると拡大画像になります。)
【全体】
sion正面.jpg

【表部分】         【裏部分】
sionアップ.jpg sionバック.jpg


【タイトル】
≪シオンさん家のタマゴ部屋≫

【制作者】
・船長Chii ・船大工Ma-Bo-

【花材/材料】
・ダリア(黒蝶)ダリア(白)
・フェイクファー ・フェイクレザー(蛇)

【作者コメント】
SIONさんの愛娘猫“タマゴ”の部屋と、SIONさんのイメージをあわせた感じで
お願いします。と言うオーダーに基づき制作しました。
ファーの部分はタマゴと似た柄にしてあります。(タマゴはコチラから確認できます)
レザー部分はSIONさんの好きそうな感じをイメージして選びました。
ファーの残りで、ねずみのオモチャも作りました。

余談ですが後日SIONさんに聞いたところ、BangLassiの作ったタマゴ部屋は、
すっかりタマゴの敵になり、本能むき出しに横っ飛びで攻撃されたらしいです。
ねずみのオモチャなんかは一瞬で壊滅だったそうです。
ある意味、大成功でした。


「なー何と戦ってるんだい?」
です。

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posted by 船長Chii at 03:19| Comment(5) | TrackBack(0) | 船長と楽団 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月23日

≪床の間≫

『本日の航海先・世田谷区、奥沢・O's nest・波来・風秋』


あいつと初めて会ってから、もうすぐ二年。
Ma-Bo-.jpg

秋が終わりを告げにやってきて、そろそろ世界が白に化粧してもおかしく無い頃、
あいつがやってきた。
その頃あいつは、しかっりとした関西弁で、少し壁をもった笑顔で、話しかけてきた。
最初に話した言葉はもう忘れた。
ただ、けして大きくない体のくせして、人にあたえる印象は身長180cmぐらいの
インパクトを残してたのは今でも覚えてる。
ただただ一生懸命で、我武者羅で、そして少し自分の出し方が不器用な姿が、
心に引っかかったのは今でも思い出す。

それから暫くたって、会う事が少なくなった。偶に会っても「おー元気かい?」
なんて声をかける程度だった。偶に会っても、お互いの関係は、あいも変わらずで、
変わっていくのは、少しずつ関東弁が上手くなっていく、あいつの言葉ぐらいだった。

・・・・・BangLassiは三人で始めた。
副船長Hiro、航海士Shibuy、船長Chii。それ以外は入れるつもりは無かった。
いや、まだ増やす自信も、余裕も無かった。・・・・・

そんな頃また、あいつと会うようになっていた。何度かO's nestに遊びに
来る様になっていた。
それから暫くして何人もで飲む機会があった。少し酔っ払ったあいつが
隣の席にやって来て、真剣な顔で話があると言う。そして唐突にあいつは言った。
「俺もBangLassiにいれて下さい!!」と。

そんなあいつは、今船長の左側にいる。けして凄くは無く他の人には映るんだろう。
でも、船長が悩んだときあいつは背を押す。船が壊れれば船を修理してくれる。
BangLassi号は何度も何度もあいつに救われて、進んできた。
船長は知ってる。本当はあいつは凄い奴なんだと。
右って言えば左に。上って言えば下に。そんな感じの少しドジなあいつだが、
一生懸命で、我武者羅なのは今もあの頃のままだ。
そんな船大工を船長は誇りに思うんだ。

そんなんで今回は“船大工Ma-Bo-”の作品。(クリックすると拡大画像になります。)
【ラフ】
床の間ラフ.jpg

【全体】
床の間.jpg

【上部分】         【下部分】
床の間上.jpg 床の間下.jpg

【下部分アップ】
床の間下アップ.jpg

【タイトル】
≪床の間≫

【制作者】
・船大工Ma-Bo-

【花材/材料】
・ドウザンツツジ ・コスモス ・シンフォリカルポス
・タマネギ ・サツマイモ ・キノコ各種 

【作者コメント】
今回の作品は、秋をモチーフに連作、何を創ろうかと思って家の掃除や衣替えをしていて、
ふと気付いた、そういやぁ実家がある大阪のばぁちゃんの家には、昔、床の間が
あったよなぁ! 
いつも季節の果物が置いてあったよなぁ。秋は、イチジク、柿、葡萄だったよなぁ
そんなこんなで、ばぁちゃんアイディアありがとさん。
そしてこれが船大工の理想の床の間。さぁ今日は、鍋でもつつきますかぁ。

だそうです。


「温もりって直ぐ其処にあるんだな!!」
です。

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posted by 船長Chii at 16:28| Comment(9) | TrackBack(0) | 船長と仲間 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月16日

≪消失にむかう地点の青≫

『本日の航海先・渋谷区、新国立劇場・波青・風消』


船長が筋肉痛だった理由。
昨日(16日)に無事公演を終えたダンスの舞台があった。
壁リハ.jpg

八月の末からBangLassiはこの仕事に、かかりっきりだったんだ。
うちは色んな意味で、他の花屋がやらん物を作る。
その為、作りたいものに合った花器が無かったり、素材が花の市場には無かったり、
そんな事が本当に多いんだわ。

んで結果、しょーがねーから自分で作る。これが面白いだんが、結構大変なんだわ。
だって、基本はBangLassiは花屋だからよ。その道のプロみたいに、早くはできん。
そーすっと、いつも大体そーなんだが、何か一つ作品を作るとすると、
花にふれてる時間より、そのほかの作業の方が何倍も時間がかかったりする。
花屋じゃない、他の何々屋さんになったりする。
これが、結構頭を悩ませたりすんだわ。「俺は花屋なのによー!!」ってね。

んで、今回は大工屋さんだった。ほぼ三日間徹夜で、ノコギリ持ったり、
金槌持ったり、電気ドリル持ったりしてた。
おかげでさー。暫く体の変な所が痛くて、動くのにヒーヒー言ってたわ。

でも、そんな想いで作ったものが、自分ではない誰かの手に渡って、
その受け取った人の笑顔を見たり、作品がその場に何かを残すような雰囲気を作って、
それを感じてる人の顔を見てたりすると、「いやー!!花屋で良かった。」
って思うしよ。全ての事が流されて行くんだよなー。

今回は特にそーだった!
船長時間が合わず本番は見れなかったが、リハーサルを見てきた。
そしたらよー。船長達が作った作品の前で、ダンサーが踊ってるんだよ。
その為に作ったものなんだから、当たり前なんだけど。でもこれが感動でよ。
あの力強く、そして妖艶な踊りを見てたら、いろんな意味で鳥肌がたったわ。
其処には色んな人の色んな色の想いが、渦巻いて踊っていたわ!!

そんなんで今回の作品。(クリックすると拡大画像になります。)
【ラフ】
壁ラフ.jpg

【変色前】
壁.jpg 壁ダンサー.jpg

【変色後】
壁アオ.jpg 壁アオダンサー.jpg

【アップ】
かべアップ.jpg 壁アップ.jpg

【タイトル】
≪消失にむかう地点の青≫

【制作者】
・船長Chii ・船大工Ma-Bo-

【SPECIAL THANKS】
・Tetu

【花材/材料】
・ドウザンツツジ ・白バラ花びら(造花)・アイビー(造花)
・角材 ・ベニヤ板 ・金ワイヤー

【作者コメント】
演出家さんの希望で、壁の様な崖の様な感じの物で、青く変色したり、
オブジェなんだが、それ自体が動くような物。と言うことで、
こんな感じにして見ました。
白い花びら部分は、風をあててもらい、舞う感じにしてもらいました。
変色する感じにする為に、あえて白の花びらにして、光をあてた時に、
光をうけやすい様にしてあります。


「なー。なに色にでもなれるんだぜ!!」
です。

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posted by 船長Chii at 23:05| Comment(1) | TrackBack(0) | 船長の旅 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月12日

≪来秋≫

『本日の航海先・世田谷区、奥沢・O's nest・波来・風秋』


うっかり。船長筋肉痛!!
何故かっつーと、船長大工仕事をしてたんだわ。
(何を作ってたかは、そのうちブログで公開します。)
V9030006.JPG

まーおかげで、最近昼夜問わず本当に忙しかった。そんで、忙しさにかまけて、
このブログの更新をして無いうちに、めっきり外は秋の匂いを感じる季節に
なってきてしまった。
この、キーボードを打つ音に雑じって、窓の外から秋の虫の音がこの部屋にも
届いてくるわ。

基本的に秋は苦手だ。なぜか、ふと悲しくなる時がある。
秋の味覚を楽しむビールのCM。ちょっと厚着になった、のど飴のCM。
そんなのを見ると。 なぜか、ふと切なくなる時がある。
この気候がそうさせるのか?
この匂いがそうさせるのか?
この音色がそうさせるのか?
なんなんだ。毎年そうなんだが、なぜか胸が苦しくなる。

船長この感じがとても苦手だ。自分でこの感情をコントロール出来ない。
色々もがくが、どーやっても付いて来る。・・・振り払えない!!
諦めて、この感覚に身をゆだねてみる。・・・・馴染めない!!
「こりゃ、こまった! どーしよー! どーにもならねー!!」

そんな、三十三回目のこの季節。今年こそ秋と友達になりたい。

そんなんで今回の作品。(クリックすると拡大画像になります。)
【全体】
aki.jpg
【上部分】         【下部分】
akiue.jpg akisita.jpg

【タイトル】
≪来秋≫

【制作者】
・船長Chii ・船大工Ma-Bo-

【花材/材料】
・ホウズキ ・ガマノホ ・ミニパイン
・金ワイヤー

【作者コメント】
そんな秋の寂しさをほうずきの実と皮で表し、夏にしがみつく感じを
ミニパインでイメージしました。
寂しさと秋風の感じを、ほうずきの皮を舞う感じにして表現して見ました。
身をゆだねても、折れぬ心を、一本のガマの穂で表しています。
夏は力強い感じの作品が多かったので、秋は少しイメージを変えて行こうと
思います。
今回は、秋の作品、一作目です。暫く秋シリーズで行きます(多分)


「なー。受け入れる準備はできてるかい?」
です。

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posted by 船長Chii at 01:01| Comment(1) | TrackBack(0) | 船長の旅 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月05日

≪去り行く夏の夜≫

『本日の航海先・世田谷区、奥沢・O's nest・波去・風夏』

BangLassi、夏のイベントも終って早や一週間。
イベントの話も終わりにして、今回から通常運航にしようと思ってたんだが、
この一週間で、イベントの感想をメールでもらったり、ミクシーやブログで
記事にしてくれたりと、皆さんの温かい文や心に感動する一週間でした。
あまりにも感動したので、今回は、あえて御礼状を書きたいと思います。

キタマスク.jpg
【御礼状】
・船大工Ma-Bo-
今回のイベント中は、いろんな人達のパワーをもらいながら、
そして倍がえしでパワーを送りました。
来て頂いた皆様、ありがとうございました。
そして、伝説に立ち合った感想はどうでしたか?
今回で三回目のライブ、船大工は二回目なんですが、
今までて最高のショーが出来たと実感してます。
多少、反省点もありますが、次への風として航海していきますので、よろしくです。
いやぁ、あの緊張感気持ち良かったぁ(>_<)

・副船長Hiro
イベントに来てくれた皆さん本当にありがとうございました。
良、悪しは別として、とっても楽しく私たちも出来きました。
BangLassiを船長と活動しはじめてから、早、三年!〈四年だっけ?〉
最初はこんなイベントができるなんて、思ってもいなかったです。
イベントもそうですが、違う所でも、まだまだ頑張って行きますので、
BangLassiの航海をこれからも楽しみにしていてください。

・船長Chii
「唄うように花を挿したい!!」 「誰もやってない事をやってみたい!!」
「陰と陽、光と影、裏と表、そんな事を表現したい!!」
初めはそれだけでした。多分“独りよがり”です。
それが一回、二回と回数を経て、クルーも増え、人も集まりだし、
結果あんなにたくさんの人が見に来てくれました。 感謝です。
その上船長の“独りよがり”な想いを感じ、理解してくれて、
「楽しかった。」なんて感想をあちこちで書いてくれて、泣きそうになりました。
本当に感謝です。この想いを帆に受けBangLassi号は進みます。先へ先へ進みます。
応援してくれた皆さん、本当にありがとう。
「まだまだ行くよーーー!!」

そんなんで今回の作品。(クリックすると拡大画像になります。)
【基イラスト】
4e726184.jpe

【全体】
去夏.jpg

【上部分】         【下部分】
カブト虫.jpg カブトと向日葵.jpg

【タイトル】
・≪去り行く夏の夜≫

【制作者】
・船長Chii

【SPECIAL THANKS】
・Tetu

【花材/材料】
・ウンリュウヤナギ ・セッカヤナギ ・ドウザンツツジ 
・ギボウシ ・ドラセナ(アトム)

【作者コメント】
今回は船長の好きなイラストレーター、KAORIさんのイラストを基に
BangLassi的に作品にしてみました。
(KAORIさんのブログはコチラ。このイラストの記事はコチラ。)

本当のイラストのタイトルは、“なつの夜”です。
この樹の向うに行ってる感じが、船長には夏の夜が遠くに行く様に見えて、
あえて、初秋の作品にして見ました。なので基画より少し物悲しい感じにしました。
去り行く夏の寂しさを、感じてもらえれば嬉しいです。

「なー。そろそろ先を見よーか!!」です。


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posted by 船長Chii at 00:24| Comment(2) | TrackBack(0) | 船長と仲間 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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