2007年04月12日

≪連作、桜 “一型”≫

『本日の航海先・世田谷区、奥沢・O's nest・波トマル・風ウゴク』

会社を辞めました。七年勤めました。只今フリーで活動中です。BangLassi一本です。
そんなこんなで、ちょっと休んでおりました。一ヶ月ぶりの更新です。
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〜〜〜〜〜月明かりに照らされて、凪の水面がゆっくり光っていた。風一つ無いこの海でも、ゆっくりと波を打っていた。その波の動きだけが、この場所にも一秒一秒コチコチと、時が動いてる事を思い出させてくれた。
光る波以外は、目に入るものは何も無く、風の音さえしない。

そんな薄暗い海の中、一隻のボートに乗っていた。ボートと言っても、そんな立派なボートではなく、少し大きめな池に行って、いくらか払えば一時間貸してもらえそうな、そんな当たり前な船だった。
もちろんエンジンなんか付いてなく、屋根さえ付いてない。今更ながら、せめてスワン型のにすれば良かったかな?なんて思っても、もーそんなことは無理に決まっていた。

最初は付いていた付属ののオールもさえも、どこかに落としてしまった。今このボートにあるのは、羅針盤と一本のビニール傘だけだった。
羅針盤は月夜では見ることさえ出来ず、ビニール傘なんかは、こんな雨さえ降らない夜には必要も無く、ましてや日傘の役目さえしない。

なんでこんな大海まで、こんなボートで出てきたのか忘れてしまった。本当は理由なんか無かったのかもしれない。ただそうしたかっただけなのかもしれない。あの沢山の人がいて、あの規律のある街はもう見ることも、ましてや住む事なんかは出来なくなってしまったが、でもこれだけは覚えていた。
それはあの街を出港する時に贈ってくれた、暖かい微笑みの顔とやさしい涙の顔。

それに行きたい場所だけは今でもはっきり覚えてる。見たい眺めがあった事も覚えてる。本当に欲しい笑顔がある事も覚えてる。今はそれを考えることしか出来ない。急に動くことが難しくなったこの船上で、それだけは見る事が出来る。

あの月のおかげで方位は解る。羅針盤は見えないが、何となく進む方向は解る。確信は無いが自信は有る。この方向で合っているはずだ。
オールはなくしてしまったが、傘は有る。こんな物でも一生懸命漕げば進むことも出来るはず。いや進んでみせる。

まだまだ夜明けは遠いが、何とかなるはず。
だって明けない夜は無い事を知っているから。
まだまだゴールは遠いが、何とかなるはず。
だって諦めなければ負けない事を知っているから。
「あっ風が吹いてきた・・・・・。ほら、おい風だ!!」
〜〜〜〜〜そんな事を思った、この一ヶ月でした。

そんなんで今回の作品。(クリックすると拡大画像になります。)
【全体開花前】     【アップ開花前】
070318_1.jpg 070318_2.jpg

【全体開花後】     【アップ開花後】
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【タイトル】
≪連作、桜 “一型”≫

【制作者】
・船長Chii 

【花材/材料】
・桜のみ

【作者コメント】
今回は、旅立ちの季節と言う事もあって、桜にしました。
桜はそれだけで、見る人に色々連想させるので、あえてシンプルに桜のみにしました。
船長は桜だけはあまりいじりたくなく、桜だけで作りたかったので、こんな感じになりました。
写真だと解りづらいですけど、この作品は意外と大きく、全長2m以上はあります。

【最後に】
今回トップにのせた画像は、七年勤めた会社の後輩達が、送別用に作ってくれた花束です。

白い花束を作ってくれた人は、船長が色々教えるきかいが多く、船長が作ってるとき必ず盗もうとして、真剣に見てるような人でした。
あまり口数は多く無いですが、内に秘めた情熱と笑いのセンスが抜群な京都出身の素敵な女性でした。
散々駄目だしされた、口うるさい先輩に花を作るのは重荷だったはずなのに、それでも作ってくれてありがとう。
その挑戦心と女性らしい繊細さのある貴女の作る作品が船長はすきです。
これからもその前向きさを忘れないで下さい。

赤い花束を作ってくれた人は、まだ花を触りだして一ヶ月もたってない人でした。まだまだ年齢も若く色んな意味でこれからが楽しみな女性です。
面接したときから、オーラのある女性でした。船長と同じ匂いを感じる人です。
写真の腕がプロ級でその写真には船長も勉強させられました。
己に真っ直ぐで、その心の内の影と光が、人として尊敬出来る物を持っています。その強気と弱気の絶妙なバランスを大切にこれからも活きて生きてください。

そしてこの七年の最後に共に過ごせた人達、あんたら最高で最強だよ!!


「誰もが旅立つ時が開花時期!!」
です。


花職人バングラッシーオフィシャルサイト
posted by 船長Chii at 02:44| Comment(6) | TrackBack(0) | 船長の日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
すべてが旅立ちにふさわしい気がしました。
いろいろ

いろいろ感じるんだけど、それはここにはかかない。

がんばりましょうね。
船長も◎
皆さんも◎
vovaも◎
Posted by vova◎ at 2007年04月12日 08:06
本当に桜って人によって感じ方が違いますよね。  どこか、遠い存在な様で、しかし皆を暖かく包んでくれる。         父の様で兄の様。    船長もなんか桜と似た匂いがします。       まだまだ苗かもしれないですが、船長の隣に立派な桜を咲かせます。     満開に。
Posted by ウミ at 2007年04月12日 08:22
久しぶりに涙が溢れました。
ありがとうございます。
船長のこれからを楽しみにしています。
私も負けません。
Posted by gon at 2007年04月13日 10:43
この船で行くべきか?
別の船に乗り換えるべきか?
そんな悩みがないように、目一杯
ボートとビニール傘を愛してやってください。
Posted by アジケト at 2007年04月13日 18:46
素晴らしい文章力と皆さんの作品に感激^^
やっぱアーティストさんは違うな〜と思いました。
船長さんの繊細な作品も沢山見せてもらいました。
また遊びに来ます。
Posted by 荒木師匠 at 2007年04月16日 05:00
vova◎さん
はい ありがとうございます。
がんばります。

ウミさん
おーーまてるぜ。みんなで満開へ

gonさん
僕も負けません。

アジケトさん
う〜〜ん、深いですね。
はい、愛し続けます。

荒木師匠さん
ありがとうございます。
また遊びに来てください。
嬉しかったです。
Posted by 船長 at 2007年04月17日 11:00
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