2006年03月18日

≪連作、星の王子さま“ウワバミ”≫

『本日の航海先・世田谷区、自由が丘・O’s nest・波誕・風星』


三十五年も前の話。
品川のとある喫茶店で二人の男女が目を合わすでもなく、恥ずかしそうに
向かい合っている。 一人は服飾を職にしている二十歳の女性。
一人は絵描きを夢見る三十手前の男。
この二人この時が初対面で、女性の方は、はなからこの話に乗り気でなく
やっと三歳になったばかりの甥っ子を連れて来るしまつ。
それでも共通の話題を探しながら、子供を連れて駒沢公園に出かけて行き
この日の最後に自由が丘で、一軒の本屋に立ち寄った。

そこでこの男、この日の思い出にと一冊の本を
こっそり買い。ひっそりと女性に渡す。
そしてこの本、女性が子供の頃に好きなのにも無くしてしまった本だった。
本の名は「星の王子さま」

それから三年後、この二人、海の香りが届く距離に安いアパートを借り、
一人の男の子を授かる。
星の気持ちを智る子になれ!と願い。智星(チセイ)と命名する。

それから幾つもの幾つもの星が流れ。
その男の子、其の地、自由が丘で星を胸に秘め、華を作り創める事になったとさ。

そんなんで今回の作品
(クリックすると全て拡大画像になります。)
【基イラスト】
いらすと.JPGイラスト.JPG

【ラフ】
ラフ.JPG

【全体】
ウワバミ.jpg

【象UP】
ウワバミ 象.jpg

【タイトル】
・≪連作、星の王子さま“ウワバミ”≫

【花材】
・ウンリュウヤナギ ・ハラン ・赤いバラ

【制作者】
・船長Chii ・船大工Ma-Bo- 
SupecialGuest
・八木亮太郎(象部分下絵制作)

【作者コメント】
僕の書いたのは帽子ではありません。象をこなしているウワバミの絵でした。 大人の人たちに、そう言われて今度はこれなら、なるほど分かってくれるだろうと思って、
ウワバミの中身を書いて見ました。
大人の人ってものは、良く訳を話してやら無いと、分からないのです。
<岩波少年文庫、「星の王子さま」より抜粋。>
(星の王子さま公式ホームページはコチラ)

象の可愛らしさを出すために、ハランの葉を3p角に切り、オアシスに
一枚ずつ貼りました。
ウワバミ部分は対照的に、恐さを出すために
ヤナギを一本ずつワイヤーで巻き、それを束ね形にしました。
現本のもつイメージを残しつつ、Banglassiらしさを出してみました。
寂しさの中の可愛らしさのイメージです。

「なー、手にいれたモノは何だい?」
です。


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2006年03月27日

≪連作、星の王子さま“バオバブ”≫

『本日の航海先・世田谷区、奥沢・O’s nest・波名・風星』

自分の名前がキライだった。

もう少し経つと入学式やクラス替えの季節だわな。
そーすっとさ、たいして代わり映えもしないのによ、何か居心地の悪い、
目新しい教室に。見た事はあるけど、たいして話もした事の無い先生が、
無駄に作った笑顔でさ、ガラガラ〜と前のドアから入ってきて。
黒板に自分の名前を書いて、毎年言ってんだろーなって感じのギャグを
言うじゃない。そんでなんとなく皆、笑って見たりしてさ。

でも、そんな時でも船長は笑えなくてさ。そのあとのア行から始まる、
自己紹介が嫌いでよ。
だってさ、星なんて文字が付く変わった名前だから、絶対一回で読んでもらえなくてさ。
「これ、なんて読むんだ?どんな意味だ?」って、訊かれるんだわ。
自分の名前が好きになったのって、この“星の王子さま”を初めて読んだ、
高校生の時ぐらいだったかなー。

そんなんで、今回の作品
(クリックすると全て拡大画像になります。)
【基イラスト】          【ラフ】
バオバブ基.JPG   バオバブラフ.jpg

【全体】
バオバブ.jpg

【バオバブ部分】        【バラ部分】
バオバブ バオバブ.jpg   バオバブ バラ.jpg
【タイトル】
・≪連作、星の王子さま“バオバブ”≫

【制作者】
・船長Chii ・船大工Ma-Bo-

【花材】
・アイビー ・イングリッシュモス ・ウンリュウヤナギ
・バラ(タマンゴ)

【作者コメント】
この“星の王子さま”にも出てくるバオバブは、実在する樹です。
アフリカのサバンナを代表する樹木で、ずん胴でたくましい幹とは、
不釣り合いな細い枝で、落葉すると大地から根が突き出たようにも見えます。
これは乾燥に適応するためで、太い幹の中には大量の水が貯蔵されてます。
そのおかげで悪環境の中でもたくましく、寿命の長い樹です。
バオバブとはセネガルの言葉で「一千年の樹」を表す名前です。

「なー意味の無い物なんて、無いんだよ!!」
です。


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2006年04月13日

≪連作、星の王子さま“世界に一つだけのバラ”≫

『本日の航海先・世田谷区、奥沢・O’s nest・波白・風鳥』

ランチを終えたサラリーマンが、急ぎ足で会社に戻る頃。
ちょっと大き目の道路で渋滞にはまった。
視界に入るのは、真っ直ぐに点々と並ぶ赤いランプと
両側に綺麗に並ぶビルだけで。その風景がさっきからちっとも変わらない。

見るでもなく、縦に細く伸びる空を眺めていた。その時。
少しあごを上げると、ちょうど目線とかさなる位置に、何か動く白いものがいた。
「トリ?」 確かに鳥なんだけど何か変だ? 何だ? サイズだ!!
明らかに都会で目にする鳥の大きさではない。
かといって、見たことも無いほどの大きさではなく、
多分、海や山に行けば、そんなに不思議ではないサイズだろう。
ただ、この場所にはその真っ白な姿と大きさが、とても不自然だった。

そんな事を頭の中で整理しているうちに、大きく弧を描き視界の外に行ってしまった。
ぐるぐるとその場で頭を動かすが、それを見つけるには、この車も、そしてこの街も、
邪魔なものが多すぎた。

結局その後もその鳥を見ることは無く、「綺麗なものと出会えたなー」と思っている。
でも、こんな綺麗なものや不思議なことも、たまに出会うと覚えてるが、毎日見てたら
日常になるんだろう。

そんなんで今回の作品 (クリックすると拡大画像になります。)
【基イラスト】
世界のイラスト2.jpg世界イラスト.JPG

【ラフ】
世界の ラフ.jpg

【全体】
世界の全体.jpg

【ジョーロ部分】       【バラ部分】
世界のジョーロ.jpg 世界の バラ.jpg

【タイトル】
・≪連作、星の王子さま“世界に一つだけのバラ”≫

【制作者】
・船長Chii ・船大工Ma-Bo-

【花材】
・レモンリーフ ・ハラン ・バラ(ローテローゼ)
・ハイゴケ

【作者コメント】
「僕は何も分かっていなかった!花のふるまいで判断すればよかったのに。
彼女はとてもいい匂いがしたし、輝いていた。僕が逃げ出したのは間違いだった。
あの小細工の陰にかくれた優しさを察してやれば良かった。
花というのはとても矛盾した性格だからね!
でも僕も若かったし、彼女の愛し方が分からなかったんだ。」
(集英社文庫“星の王子さま”池澤夏樹新訳、より抜粋)

「見つけよーぜ、見えなくなる前に。」
です。


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2006年04月17日

≪連作、星の王子さま“一人ぼっちの王様”≫

『本日の航海先・世田谷区、奥沢・O’s nest・波裸・風王』

最近好きな言葉がある。
そりゃーよ。六年も七年も同じところで働いてると、後輩も増えてきて、
気が付けばよ。先輩よりも後輩の方が多かったりするんだわ。
そーするとさ、知らねーうちになんか、偉くでもなった気がしてきてよー。
勘違いするんだわ。

本当はさ一人じゃ何も出来なくて、みんながいるからさ、何とか出来てるのに。
所詮、ただの人なのによー。感謝って難しいな!!
そういえばさ、バーちゃんが、こう良く言ってたよ。
「実るほど頭を垂れる稲穂かな」
ってね。

そんなんで今回の作品(クリックすると拡大画像になります。)

【基イラスト】        【ラフ】
王様イラスト.JPG  王様ラフ.JPG

【全体】            【王冠部分】
王様.jpg  王冠.jpg

【タイトル】
・≪連作、星の王子さま“一人ぼっちの王様”≫

【制作者】
・船長Chii ・船大工Ma-Bo-

【花材】
・バラ ・グニユーカリ ・ウンリューヤナギ ・レモンリーフ

【作者コメント】
「しかし、王子さまは、ふしぎでなりませんでした。こんな小さい星だのに、
王さまは、いったい、なにを支配しているのでしょう・・・・」
(“星の王子さま”岩波少年文庫より抜粋。)
あえて、服装のポイントと王冠だけを作り、王様の部分は作りませんでした。
見た目は少し分かりづらくなりましたが、裸の王様もイメージした結果です。

「なー。何になりたいんだい?」
です。

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posted by 船長Chii at 09:55| Comment(4) | TrackBack(0) | 船長と星の王子さま | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月29日

≪連作、星の王子さま“終焉”≫

『本日の航海先・世田谷区、奥沢・O’s nest・波終・風話』

潮の香のするその町は、いつまでも快晴なんだ。

海にもうすぐ変わる、その川はけして綺麗とは言えなかった。
前輪の無い自転車や、疲れた革ジャン。時にはタンスなども落ちていた。
まるで全ての流れに逆らうように。

「今、いくちゅなの?」って聞かれると、
小さなその指を、やっと三本立たせる事が出来るようになった、その男の子は、
とても好きな人形があって、何処に行くのも一緒だった。
今日も、お母さんと一緒にその人形を連れて、川沿いの道をテクテクと、
水平線をめざし散歩をしていた。
いつもにまして、はしゃぐ元気な男の子。
そんな時、取り外しが可能なその人形の頭が、フェンスの向こうの川に、
少し跳ねながら、転がり落ちていった。

どんどん見えなくなっていく頭。川を見下ろす男の子、天を仰ぐお母さん。
その現実を受け入れるには、幼すぎるその男の子は泣き叫び。
それを、必死になだめるお母さん。何かにすがりたい気持ちは、母も子も一緒だった。
そんな二人が、必死に切実に出した答えは、・・・「海にたどり着くかも!!」だった。

波打ちぎわを下を見ながら、毎日歩きはじめて、三週間。
今日もオレンジ色に染まったその場所から帰ろうとしない男の子に、お母さんが、
しっかり目を見ながら、ついに切り出した。・・・・・「自分達で作ってみようか?」
自分に言い聞かすように、小さくそして力強く、首をたてに振る男の子。

あれから三十年。
紙粘土で出来た、ちょっといびつな頭を持つピノキオと、あの時の心は、
今でも何処かには、ちゃんと在るんだろうか?

そんなんで今回の作品(クリックすると拡大画像になります。)
【ラフ】
コート ラフ.jpg

【全体】               【バラ部分】
コート全体.jpg コート バラ.jpg

【タイトル】
・≪連作、星の王子さま“終焉”≫

【制作者】
・船長Chii ・船大工Ma-Bo-

【花材/材料】
・バラ(ローテローゼ) ・レモンリーフ ・ツツジ
・コート

【作者コメント】
「この王子さまの寝顔を見ると僕は涙の出るほど嬉しいんだが、
それもこの王子さまが、一輪の花をいつまでも忘れずにいるからなんだ。
バラの姿が、眠っている間もランプの灯のようにこの王子さまの心の中に
光っているからなんだ・・・・・」(“星の王子さま”岩波少年文庫より抜粋。)

今回で、この連作も最後です。
最後なので、今回はこの本のイラストは使いませんでした。船長のイメージです。
使ったコートは実際に船長が三歳の頃、着ていた物です。
星の王子さまの映画を見た母が、そのイメージを基に自ら作ったコートです。


「もう一度、探してみないかい?」
です。


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posted by 船長Chii at 16:40| Comment(13) | TrackBack(0) | 船長と星の王子さま | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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