2007年10月24日

≪おしゃべりなカボチャの木(第一話 金色の山)≫

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【本日の航海先】
・世田谷区奥沢、O's nest

【花材/材料】
・ススキ、etc

【サイズ】
・width 80〜100cm ・height 30cm〜50cm

【参考価格】
・¥25,000〜(花材、季節、状況等によって変動します。)

【制作者】
・船長Chii

【船長コメント】
皆様ご無沙汰してました。ご心配おかけしました。
船長、昨年に続きハロウィンに因んで物語を書きました。全四話です。
物語を自作して、その話にそって作品も作る。そんな事をして見ました。
今回の作品はその物語の挿絵です。金色の山を300本のススキで作ってあります。

【自作物語】
≪おしゃべりなカボチャの木(第一話 金色の山)≫

この空の遠い遠いある場所にオレンジ色の星がありました。とても元気な星でした。大きな大きな星でした。
少しボコボコしたいびつな星でした。角が一本生えている少し変わった星でした。
そんな変てこな星のお話です。

そんな星の遠い遠いある国に不思議な場所がありました。
その場所は、誰も行くことが出来ない場所なのです。
でも本当は誰もが行くことが出来る場所なのかもしれません。

その場所は高い高い山々に囲まれてました。麦色の少し寂しい山でした。
でも麦色の寂しく見える山々も、お日さまが当たるとみごとな金色に輝くのです。
その金色の山を幾つも幾つも越えた山奥にその不思議な場所はありました。
金色の場所でした。

その場所には何も無いようでした。金色の野が広がるだけでした。
何処までも何処までも広がるその野はまるで、金色の海のようでした。
穏やかな風に揺れるその野はまるで、金色の波のようでもありました。
しかし、その何も無いように見える場所にも一本の木だけがありました。
その木は金色の海に、ただただ立っていました。

僕はその場所に何度も何度も行きました。
今になれば何度も行った理由がわかります。
悔しかったんです。悲しかったんです。嬉しかったんです。楽しかったんです。
だから何度も何度も行きました。その木に会いに行きました。
その木と話をしに行きました。
そうなんです。その不思議な木は話す事が出来たんです。

つづく


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2007年10月25日

≪おしゃべりなカボチャの木(第二話 心ある実)≫

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【本日の航海先】
・世田谷区奥沢、O's nest

【花材/材料】
・枯れ枝、カボチャ、ススキ、etc

【サイズ】
・width 70〜80cm ・height 100cm〜110cm

【参考価格】
・¥25,000〜(花材、季節、状況等によって変動します。)

【制作者】
・船長Chii ・O's nestのお客様

【船長コメント】
前回からの続きです。(読んでない方は一話からどうぞ。)
毎年の好例行事なんですが、カボチャの顔をO's nestに来てるお客さんに彫ってもらうんです。皆さん各々の顔を作るんです。これが船長楽しみなんです。今年も楽しい顔がそろったんで作品に使わせていただきました。皆さんありがとう。
さて二話目です。今回登場するこの木は話の軸になるものなので存在感があるものにしたくて、いくつもの枯れ枝を束ねて個性のある木にして見ました。

【自作物語】
≪おしゃべりなカボチャの木(第二話 心ある実)≫

その木は本当に不思議な木でした。
とても大きな大きな木でした。
幾つもの幾つもの枝で出来ているような木でした。
幾つもの幾つもの根だけで出来ているような木でした。

ある時、その不思議な木はまるで、怒っているようでした。
でも、時には悲しんでるようでしたし、時には喜んでるようでもあったんです。
だけど本当のことは、今でもわかりません。
だってその木には、幾つもの幾つもの心がやどっていたんですから。

その不思議な木には、幾つもの幾つものオレンジ色の実がなっていました。
まるでカボチャに似たような形をした実でした。
そのカボチャに似た実には顔がついていました。
幾つもの幾つものその実にはすべて、顔があったんです。
全部ちがう顔でした。
そしてその実にはすべて、ちがう心が宿っていました。

そのカボチャ似た実は話す事が出来ました。一つ一つの実が別々の心で話す事が出来ました。
そのなっている場所から動くことは出来ませんでしたが、各々が話す事が出来ました。
そしてその話す実は、幾つもの幾つもの別々の意見を言うんです。

初めてその木の場所に行ったとき僕は人でした。
人の姿の僕に、その幾つもの幾つもの実が話しかけてきます。

つづく


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2007年10月28日

≪おしゃべりなカボチャの木(第三話 変わる僕)≫

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【本日の航海先】
・世田谷区奥沢、O's nest

【花材/材料】
・ヤナギ、トウガラシ / ケイト、etc

【サイズ】
・width 100〜120cm ・height 200cm〜250cm

【参考価格】
・¥25,000〜(花材、季節、状況等によって変動します。)

【制作者】
・船長Chii 

【船長コメント】
前回からの続きで今回は三話目です。(読んでない方は⇒ 一話 二話
クモの巣を前からずーっと作りたかったんですが、今回やっと作ることが出来ました。せっかく作るなら大きくしたかったので、大きく作ろうとおもっていたら、結果店の天井から床までかかる物になってしまいました。毛糸で作ってあります。
クモの体は、黒めの色の唐辛子を一本ずつ貼って作ったんですが、想いの他リアルになってしまい、少し気持ち悪かったです。

【自作物語】
≪おしゃべりなカボチャの木(第三話 変わる僕)≫

その不思議な木の、南側になってる実は陽気な顔をしてました。
南側の陽気な顔は人の姿の僕に、こう話しかけてきました。
「君の体は便利そうな形をしているね。その姿ならとても楽しいだろうなー。楽しければ良いね。」

西側になってる実は怒っている顔をしていました。そしてこう言うのです。
「おい、お前はなんて便利な姿をしてるんだ。何でも出来るからっていい気になるなよ!」

東側になってる実は頭の良さそうな顔をしてました。そしてこう言うのです。
「あなた様は無駄のない姿をしていますね。でも私の体の方がもっと効率が良く便利です。」

北側になってる実は悲しそうな顔をしてました。そしてこう言うのです。
「ねーあんた、その姿は便利なのでしょうね。・・でも飛ぶ事は出来ないんですね。・・・かわいそうに。」

幾つもの実に色々な事を言われました。僕は迷いました。
この姿がいけないの?便利なのがいけないの?飛べなければ駄目なの?どうすればいいのでしょ?
僕をせめないでください。
僕は考えたすえに人の姿でいるのをやめました。

その木に次に行った時、僕はコウモリの姿でした。コウモリは目が良く見えません。
不便そうな体です。でも空を飛ぶ事が出来ます。これなら大丈夫、色々言われないだろうと自信がありました。。
南側の陽気な顔はコウモリの姿の僕に、こう話しかけてきました。
「君の体は飛ぶ事が出来るんだね。空を飛べたら楽しいだろうなー。楽しければ良いね。。」

西側の怒っている顔は、こう言うのです。
「おいお前、飛べるからっていい気になるなよ。俺様を上から見下ろすな!」

東側の頭の良さそうな顔は、こう言うのです。
「あなた様は飛んで虫を獲る事が出来るのですね。でもその獲り方は効率が良くないですね。じつに勿体無い。」

北側の悲しそうな顔は、こう言うのです。
「へー、あんたは飛べるんだね。でも夜しか飛べないなんて・・・かわいそうに。」
・・・・・僕はコウモリの姿でいるのをやめました。

その次に行った時、僕はクモの姿でした。大きな大きなクモになったんです。
これならあの実と同じ目線でいれます。効率良く虫を獲る事が出来ます。明るくても動けます。
今度は大丈夫、色々言われないだろうと思いました。
南側の陽気な顔はクモの姿の僕に、こう話しかけてきました。
「君の体は糸を出す事が出来るんだね。そんなふうに糸が出せたら楽しいだろうなー。楽しければ良いね。」

西側の怒っている顔は、こう言うのです。
「おいお前、巣が作れるからっていい気になるなよ。視界をふさぐな、目障りだ!」

東側の頭の良さそうな顔は、こう言うのです。
「あなた様はずいぶん足が長いんですね。でもそんなに長くては効率が良くないでしょう。じつに勿体無い。」

北側の悲しそうな顔は、こう言うのです。
「へー、あんたはその巣で待ってれば虫を獲れるんだね。・・でも待つことしか出来ないなんて・・・かわいそうに。」
・・・・・僕はクモの姿でいるのをやめました。
その後も僕は色んなものになりました。何度も何度もいろんなものになったんです。

つづく


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2007年10月30日

≪おしゃべりなカボチャの木(最終話 元気な星)≫

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【本日の航海先】
・世田谷区奥沢、O's nest

【花材/材料】
・ファーガス、ウンリュウヤナギ 、レモンリーフ、etc

【サイズ】
・width 40〜50cm ・height 40cm〜50cm

【参考価格】
・¥20,000〜(花材、季節、状況等によって変動します。)

【制作者】
・船長Chii 

【船長コメント】
前回からの続きです。なんとか最終話です。(読んでない方は⇒ 一話 二話 三話
今回はカボチャの形をした星を作ってみました。架空の大陸、島なども作ってあります。
外側をオレンジの葉を何枚も貼って作り、この星が発光するようにしたかったので、中に電球を入れてあります。
大陸部分は、世界地図を見ながら緑の葉を切り抜いて作りました。
輝くカボチャの星です。
長い文を最後まで読んでくれてありがとうございました。感想などいただけたら嬉しいです。

【自作物語】
≪おしゃべりなカボチャの木(最終話 元気な星)≫

ある時僕は小さな小さなアリになりました。
アリの姿の僕は不思議な木にそーっと近づきました。
そーっと近づいて木の下に穴を掘りました。
そして穴の中に住みました。
これなら色々言われないだろうと思ったんです。
確かに、どの実からも何も言われませんでした。
しかし、どの実も僕に気づいてもいないようでした。
これでは意味がありません。

僕は寂しくなってしまいました。
寂しくなった僕は穴から出ました。穴から出てあの幾つものの顔に話かけてみました。
それでも駄目でした。
小さな姿の小さな声では全く気づかれません。
それならもっと近くに行こうとおもい、今度はこの不思議な木に登ってみました。
それでも全く気づかれません。
もっともっと近くで話しかけてもみました。
それでもやっぱり駄目でした。
何度やっても全く気づかれないのです。

あの幾つものの顔の言うとうりに、何度も何度も姿を変えました。
あの顔達に気に入られるように、何度も何度も姿を変えたのに今度は気づいてもらえません。
確かに何も言われません。でも気づいてももらえません。
これでは全く意味がないのです。

僕は本当にわからなくなりました。
僕は何になりたかったのでしょう?僕はどうしたかったんでしょう?
僕は考えました。たくさんたくさん考えました。

本当は・・・・・僕は僕になりたかったのです。
そうだったんです。それで良かったんです。

そして僕はオレンジ色になりました。カボチャに似た形の姿になりました。
そしてその姿の真ん中に、一本不思議な木が生えてます。
これが最後でした。僕はもう何にも変わらなかったのです。
僕は僕を見つけたのですから・・・・・・。

この空の遠い遠いある場所にオレンジ色の星がありました。とても元気な星でした。大きな大きな星でした。
少しボコボコしたいびつな星でした。角が一本生えている少し変わった星でした。
そんな変てこな星のお話です。

おわり。


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posted by 船長Chii at 12:47| Comment(2) | TrackBack(0) | 船長とカボチャの木 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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